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アクサ生命のフィナンシャルプランアドバイザーに聞いた
LGBTQ+当事者の人生に生命保険で寄り添うということ

誰の人生にも必要になってくる生命保険だが、カミングアウトしていないLGBTQ+当事者の方の中には生命保険をプライベートの開示につながると考え、ためらう人も少なくない。そのような方の人生にアクサ生命ではどのように寄り添って行こうとしているのか。実際に現場で顧客と接している首都圏第一FA支社の山崎美里さん、神戸第二FA支社の吉田宣弘さんに話を聞いた。 取材・文/宇田川しい

首都圏第一FA支社 山崎美里さん

神戸第二FA支社 吉田宣弘さん

LGBTQ+のお客さまとの出会い

――生命保険の仕事を通し、LGBTQ+について意識されるのはどのようなことですか?
山崎 私はこれまで5年、生命保険会社で働いていますが、当初はLGBTQ+については意識できていませんでした。ある企業のサポートの仕事をした時に、その企業にお勤めの方が当事者であると分かったため、きちんと対応できるよう自分で勉強することになりました。恥ずかしいお話ですが、それまでは、自分の周りに当事者の方はいないと思い込んでいました。お客さまとの出会いから学びが始まりました。
――様々な気づきがあったんでしょうね。お客さまからLGBTQ+だと相談されたことはありますか?
山崎 私たちはまず、お客さま毎にライフプランをご提供して、その後に金融の知識を皆さまにお届けします。生命保険のお申込みのお手続きが全て終わった後に、「実は私は」とカミングアウトしていただくことが多いんです。私の場合は、基本的にご本人の現状と今後というところにフォーカスしてお話を伺います。
――LGBTQ+かどうかを尋ねることはないんですね?
山崎 そうですね。お話を伺う際は、お客さまご自身が今、気になっていることや、ご不安なことなど、中長期的な観点も含め、様々なニーズを聴いていきます。伺った内容に基づき、お客さまの中長期の将来の展望について、ライフプラン作成を通じて可視化していくことになります。また、時間の経過とともに、お客さまと作成したライププランをメンテナンスし、見直すお手伝いもしており、お客さまに寄り添ってライフマネジメント®をサポートしています。
吉田 私はあるお客さまがきっかけでLGBTQ+について勉強を始めました。あるご夫婦のライフプランを作っていたのですが、そのお宅で高校生の娘さんとお会いしたのです。とてもボーイッシュなかっこいい服装をしていたので、会話の中で何気なく「かっこいいね」と言ったことがありました。その後、改めて振り返り、女性に対して「可愛い」じゃなくて、「かっこいい」という表現を用いたことは適切だったのか、自分で気になったことを覚えています。
――どのような反応だったのですか。
吉田 ニコっと笑って出て行かれたんです。その後も、ご夫婦の生命保険について、ライフマネジメント®のため、伺う時に、たまに娘さんをお見かけすることがありました。さらに数年が経過し、お母さまから「子どもが同棲することになったから保険について相談に乗ってあげてほしい」とご依頼がありました。私が、ご結婚されるんですかと訊くと「まあ、行って話を聞いてあげて」とのことでした。
――含みのある言い方ですね。
吉田 それで、相手のご両親が反対されてるとか、そういうご事情かなと思って娘さんのお宅に伺いました。すると、出て来られたのが見覚えのない女性なんです。あれ、と思ったら「中にいますのでどうぞ」と通されました。そこにはボーイッシュな女子高生だったあのお子さんがいらして、久しぶりの対面の第一声で「実は僕は」と打ち明けあけられました。それで、ライフプランについてなどいろいろお話を伺う中で、初めて会ったときのことが話題になりました。
――「かっこいいね」と言ったときのことですね。
吉田 それが良かったのかどうか不安でしたが、「吉田さんがかっこいいと言ってくれたのが嬉しかった」とおっしゃるんです。女の子として「可愛い」と言われるのは違和感があったようですね。
――「かっこいい」で間違っていなかったわけですね。
吉田 そうなんです。でも、それはたまたまですが。

フィナンシャルプランアドバイザーの仕事:お客さまのライフストーリーを伺うこと

――彼にはどのようなライフプランを提示したのですか?
吉田 彼から将来的に性別も変えたい、海外で手術を受けるかもしれない、そのためにこれから費用を貯めたい、とのご相談をいただきました。費用のご準備は生命保険では無理なので、定期預金で貯めていくということでライフプランを作りました。しばらくした後に、ライフプラン通りに費用が貯まったので、海外で手術を受けて来ましたというご報告をいただいたんです。
――それは、よかったですね。
吉田 とても嬉しく思いました。生命保険は女性と男性で保険料に差異があります。お名前も変更されましたので、ご加入中の生命保険について、名前の変更と性別の変更のお手続きを同時にすることになりました。当時、このような過去事例がアクサ生命になく、他の日本の生命保険会社にも確認されたのですが、そちらでも無いとの返答をいただいたようでした。結局、海外の事例を参考に、性別を変えた翌月から「男性」での保険料に変更を行うという取り扱いとなりました。その際、お客さまが書類の性別欄をじっと見つめて「これでいいんですね」とおっしゃっていたのが印象的でした。
※生命保険の加入には審査があり、加入できない場合があります。
――それまで違和感があったのでしょうね。
吉田 そうですね。続けて「吉田さんと初めて会った頃が一番つらかった」とのお話をいただきました。「男なのにスカートを履かなければいけなかった」と。当時、学校の先生に「スカートを履きたくない」と相談したら、先生も知識がなく、「校則に違反する」類の意味として捉えられてしまったそうです。このように、当時のご心情の奥底まで私に吐露されたのは、心理的安全性を感じていただけたからだと思うんですよ。でも、先ほどのお話の通り、私が、学生であった当時のお客さまに「かっこいい」と言ったのは、単なる偶然に過ぎません。
――その時の一言で、後のことが違ったかもしれませんね。
吉田 そうなんです。もしかしたら、このお客さまとは関係性を築けたけれど、他のお客さまへは、お話を伺う際に、自分の知見不足により、気づかぬまま傷つけるようなことを言ってしまったかもしれない。もっと知識が欲しいなと思って勉強を始めました。自分の視野を広げてくださった、このお客さまには本当に感謝しています。
――生命保険の仕事というのはお客さまの人生に大きく関わっていくのですね。
吉田 ライフプランというと、お金の計算だと思う人が少なくありません。アクサ生命ではそう考えません。教育費、住宅ローン、老後の生活費、車の購入代、そうしたものの計算はもちろん行います。でも、お金はお客さまの人生において、手段に過ぎません。たいせつなのは「なぜ」なんです。なぜお子さんにその教育を受けさせたいか、なぜその家を購入するのか、なぜマンションなのか、なぜ戸建てなのか、という理由、そこに、お客さまご自身の人生で大切にされていることが現れていると考えています。
――フィナンシャルプランアドバイザーの方が深掘りしていくことで、よりふさわしいライフプランになるのですね。
吉田 お金の計算だけなら、お客さまご自身でもいろんなツールで出来ます。アクサ生命が考えるライフプランは、お客さま毎に異なるライフストーリーをお伺いして、お客さまの自分らしさを大切にしたオンリーワンのものでなければなりません。LGBTQ+の方であれば、将来はパートナーと一緒に歩みたいという方もいれば、自分は一人で生きていきたいという方もいる。お客さま各々のライフストーリーに基づいたライフプランのご提供によって、お客さまの人生の道筋を可視化し、将来に向かって力強く歩まれるサポートが出来ればと考えています。また、お客さまの長い人生においては、プラン変更もありますので、常に寄り添い、お客さまのライフマネジメント® をお力添えしていきたいと考えています。
――人それぞれにライフストーリーがある。LGBTQ+当事者の方の中にも多様性があるわけですね。

お客さまと社員で大きなレインボーツリーを作る

――今年のTRPについて教えてください。アクサ生命ではTRPにどのようなブースを出されたのですか?
山崎 アクサ生命は、私たちのパーパス「すべての人々のより良い未来のために。私たちはみなさんの大切なものを守ります。」を体現すべく、単に生命保険で保険金や給付金をお支払いすることにとどまらず、お客さまの人生そのものに寄り添い、長く相談相手として活動するというビジョンを掲げています。LGBTQ+のお客さまにも寄り添って一緒に考える際に、やはり、公的な保障などが限定的になるということがライフマネジメント®の課題として話題にあがります。
――なるほど。
山崎 そもそもですが、ライフプランのお話を始める際は、どうしても多くのお客さまが身構えている様子が見受けられます。お客さまご自身のこれまでのお辛いご経験から、自分の知らない相手と話す際に、相手からご自身の存在を拒絶されたり、自尊心を傷つけられたりするのではないか、という不安を覚えてしまう。私たちは日本では約500万件のご契約を保有しています。当然、LGBTQ+の方も大勢いらっしゃって、様々なご相談に対応しています。その際、たいせつにしているのが心理的安全性です。ありのままの自分でどんなことでもお話していただきたい。もちろん、お客さまの機密は確実に守ります。これまでに蓄積してきた事例を踏まえ、様々な助言やヒントをご提示できると思います。そういったことをご理解いただけるようなブースを、今回、出店しました。
――具体的にはどのような企画だったのですか?
山崎 お客さまの大切な想いを可視化するものです。ハート型の付箋に想いを書き込んでいただき、付箋を葉に見立て、レインボーツリーにして飾りました。アクサの本社はフランスにあり、フランス中部にバレンタインデー発祥の地とも言われるセントバレンタイン村があります。セントバレンタイン村には、「愛の木」にハートのプレートを掲げて永遠の愛を誓うという風習があります。今回のイベントはそれをテーマにしています。
ブースでは来場者の皆さまが言葉に込めた願いが掲示されています。その願いを見て、新たな考えを発見したり、想いに共感したり、いろんなことを感じていただけたのではないでしょうか。お客さまとアクサが一緒になって、願いを集めた大きなレインボーツリーが完成しました。