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Wpc.

ファッショナブルなレイングッズを提案するブランド
Wpc.はなぜ社会貢献活動に力を入れるのか

ファッショナブルな傘やレインウェアを提案するドメスティックブランドとして評価の高いWpc.。このWpc.をはじめとする複数のレイングッズを扱うブランドを展開するのが株式会社ワールドパーティーだ。独自の経営理念から社会貢献活動に力を入れてきた同社が今年からTRPに参加する。その背景について、創業社長の中村俊也さんに聞いた。

取材・文/宇田川しい

傘がファッションになると知ったときの驚き

――Wpc.は今年が初めてのTRP参加ですね。

中村俊也さん Wpc.ブランドを展開する弊社、株式会社ワールドパーティーは経営理念として「人に幸せをつくる、自分達が成長する努力を怠らない、社会への貢献を惜しまない」ことを掲げています。TRPへの参加もその理念の一環です。実は昨年も参加を検討していましたが、コロナ禍ということで見送りました。2年越しの初参加ということになります。

――ワールドパーティーはファッショナブルな傘やレインウェアを提案するWpc.や、アウトドアシーンに向けた遊び心のあるレイングッズを発信するKiUなどのブランドを展開しています。創業社長である中村さんがこうしたブランドを立ち上げたようとした理由について教えてください。

中村さん 元々のきっかけというと実家の稼業が傘の加工業だったことです。子どもの頃から傘のパーツに囲まれて育ちました。僕はファッションが好きだったので高校を卒業後、服飾関係の専門学校に行って将来はアパレル関係に就職したいと思っていました。その当時は、親の仕事について、むしろ抵抗があったというか、あまりかっこいい仕事じゃないな、くらいに思ってたんです。加工業と言っても工場とも言えないような、家内工業でしたし。

――親の仕事に複雑な思いを抱いていたんですね。

中村さん そんなこともあって、二十歳の時にバックパックで海外に旅をしたんです。アメリカの東海岸から西海岸まで行って、そこからアジアへ渡ってタイ、バリと放浪しました。それで久しぶりに日本に帰ってきた時に、梅田のロフトで傘がファッション・アイテムとして売られているのを見たんです。「傘がファッションになるんだ!」と驚きました。こういう傘なら自分も作ってみたいと思ったのが起業のきっかけです。

バックパッカーとして世界を見て思ったこと

――バックパッカーとして世界を見てきた経験は今の仕事に役立っていますか?

中村さん アジアでは当時の日本とは比べものにならない貧しい暮らしをしている人がいて、僕もバックパッカーでお金がないですから、そういう人たちと同じような暮らしをした。でも、僕は自分からそこに飛び込んでいって帰る場所もある。僕のように自分の意志ではなく、そこで困窮した暮らしをしている人がいるということは意識しました。今、周囲を見ても自分の意志に反して窮屈な思いをしている人はいる。それをなんとかしたいという気持ちは社会貢献活動への意欲につながっています。

――以前から災害復興支援や、防災などの社会貢献活動をされていますね。

中村さん 弊社のビジネスは天候によって成り立っています。雨が降れば傘をさしてもらえるし、晴れれば日傘を差してもらえる。でも、その天候の変化が極端になれば災害になります。そのことについて知らんぷりは出来ないなという思いからの活動です。

――なるほど、レイングッズを扱う会社ならではの発想なのですね。そこから、今度はLGBTQに目を向けるきっかけは何かあったのですか?

中村さん 弊社の募集にトランスジェンダーの方が応募されることが何度かあり、実際にトランス男性を採用したこともあります。そうしたことがきっかけと言えばきっかけです。LGBTQに限らずさまざまなマイノリティがいます。一人ひとりに違いがあって、みんなそれぞれ「マイノリティさ」のようなものは持っているのではないでしょうか。僕自身も自分がマジョリティとは思えない部分があるんですよね。僕の子どもは障害を持っていますが、それも人との違いの一つであって、多様性のグラデーションの中にあるものとして認識すべきなのかなと思っています。

「No Rain, No Rainbow」。差別や分断のない未来を信じて

――TRPではどのような企画を実施するのですか?

中村さん 今回、TRPに向けたグッズを開発しました。レインボーカラーをあしらって多様性を表現したポンチョ、ハット、バッグです。柄は4種類、全てテキスタイル・デザインから起こしたオリジナルのものです。こちらを数量限定で販売します。

――物販以外もありますか?

中村さん オリジナルグッズが当たるダーツゲームを企画しています。これは大人も子どもも、障害のある人も、誰もが楽しめるように工夫していますのでぜひチャレンジしてみてください。また、傘に花をあしらったフォトブースも設けます。花に関するアートやファッションを手がける「PLANTICA」というフラワーアート・ユニットとのコラボです。かなり「バエる」ものにします(笑)。

――パレードも歩かれるんですか?

中村さん はい、社員や関係者など20人ほどで歩きます。もちろん、私も歩きます。PRIDEは以前、フランスで見たことがあるんですが、自分で歩くのは初めてなので楽しみです。昨年はコロナのことがあってパレードがなかったですし、大勢で歩けるということ自体も嬉しいですね。

――参加する皆さんにメッセージはありますか。

中村さん ハワイのことわざに「No Rain, No Rainbow」という言葉があります。雨の後には虹が見られるよというポジティブな言葉です。今は辛い思いをしている人も、時代が動いて世の中が変われば、差別や分断がなくなって楽しい未来が待っている。そう信じて活動していきたいと思っています。一人ひとりの違いを認めて受け入れることの出来る社会を作っていきたいですね。